前回はWindowsユーザーである友人のためにMacのdmgの展開の仕方を書いたが、Windowsのみだと思っていた友人は、少し前からMacも所有して触っているらしい。彼がいうには、「Macにソフトをインストールする際、やたらにこのdmgを目にするが、Macのインストーラの形式なのか?」。
答えはNO。dmgはインストーラ用にも使われるが、インストーラ専用のファイル形式ではない。前回も書いたように、Windowsでよく使われる「.iso」などと同じ仮想ディスクイメージ。
仮想ディスクイメージとは
ほかのファイルやフォルダを格納するディスクの属性を持たせたファイルのことで、既存のディスク、ボリューム、フォルダを元にしてディスクイメージを作成できる。空のディスクイメージを作成し、後でファイルやフォルダを追加することも可能。
Macの仮想ディスクイメージの場合
Finder(WindowsのExplorerに相当)上では「.dmg」という拡張子の付いたファイルとして表示される。dmgの内容にアクセスするためには、dmgをダブルクリックしてMac OS X 上にマウントさせる。dmgが内包するボリュームがマウントされ、デスクトップやFinderウインドウのサイドバーに白いディスク型アイコンとして表示される。
このアイコンをダブルクリックして開けば、通常のフォルダの中身と同様、ファイルを開いたり、コピーしたりできる。ディスクイメージの形式が「読み込み/書き込み」なら、中身のファイルに変更を加えることもできる。
このアイコンをダブルクリックして開けば、通常のフォルダの中身と同様、ファイルを開いたり、コピーしたりできる。ディスクイメージの形式が「読み込み/書き込み」なら、中身のファイルに変更を加えることもできる。
( /システム/ライブラリ/CoreServices/DiskImageMounter.app )
「.cdr」や「.iso」といったほかの仮想ディスクイメージなどを含めて、同時に複数(いくつでも)Mac OS X 上にマウントできる。
ソフトのインストーラとしてのdmgの使い方(主にMac OS X 10.4.11で検証)
● インストーラとしてのdmgをダウンロードしたケース(1)
dmgの中身が、インストール用のパッケージファイル(拡張子.pkg や .mpkg)だった場合、ダウンロードが終わると、アプリケーションが含まれていることを通知するメッセージが表示されるので、[続ける]をクリックすると、デスクトップ上にディスクイメージのボリュームがマウントされ、インストーラ(Windowsでいうところのインストール ウィザード)が自動で立ち上がる。
● インストーラとしてのdmgをダウンロードしたケース(2)
dmgの中身が、アプリケーション本体(拡張子 .app)とApplicationsフォルダのエイリアスだった場合、ダウンロードが終わると、同様にアプリケーションが含まれていることを通知するメッセージが表示されるので、[続ける]をクリックすると、デスクトップ上にディスクイメージのボリュームがマウントされ、自動的に開く。
アプリケーション本体をApplicationsフォルダのエイリアス(Windowsのショートカットアイコンに相当)にドラッグ & ドロップすると、「アプリケーション」フォルダにコピーされる。
Dockの「アプリケーション」アイコンにドロップしてもかまわない。
フォルダの左ペインが表示されている場合は、そこの「アプリケーション」アイコンにドロップしてもかまわない。
もちろんシステムのHD直下の「アプリケーション」フォルダに直接ドロップしても問題ない。
アプリケーション本体をApplicationsフォルダのエイリアス(Windowsのショートカットアイコンに相当)にドラッグ & ドロップすると、「アプリケーション」フォルダにコピーされる。
Dockの「アプリケーション」アイコンにドロップしてもかまわない。
フォルダの左ペインが表示されている場合は、そこの「アプリケーション」アイコンにドロップしてもかまわない。
もちろんシステムのHD直下の「アプリケーション」フォルダに直接ドロップしても問題ない。
● インストーラとしてのdmgをダウンロードしたケース(3)
dmgの中身が、アプリケーション本体(拡張子 .app)が入っていて、Applicationsフォルダのエイリアスが無い場合、(2)と同様にボリュームがマウントされる。アプリケーション本体を好きな場所にドラッグ & ドロップしてコピーする。もちろん「アプリケーション」フォルダに入れてもかまわない。
● その他のインストーラ
dmgやzipファイルでダウンロードが終わると、同様にアプリケーションが含まれていることを通知するメッセージが表示されるので、[続ける]をクリックすると、ダウンロードした場所にインストール用のパッケージファイルやアプリケーション本体を残し、その他のファイルを自動的にゴミ箱へ移動するものもある。
● (2)と(3)のケースで自動マウントされない場合
ダウンロードしたdmgをダブルクリックしてディスクイメージのボリュームをマウントさせる。
マウントされたボリューム内のアプリケーション本体(拡張子 .app)をダブルクリックして起動させるのは禁物、まともに動かないし、「アプリケーション」フォルダなどにコピーしていない状態でシステムを再起動させるとアプリケーション本体は消えてしまう。
● ディスクイメージのボリューム全体をHD内にコピーする際の注意
readmeファイルやアンインストーラなどが入っているなどの理由で、ボリューム全体をコピーしたいとき、ディスクイメージのボリュームの白いディスク型アイコンをHD内へ単にドラッグ & ドロップすると、ボリュームの実体のないエイリアスとしてコピーされてしまう(右画像)。
全体をコピーしたい場合は、「option」キーを押しながらHD内へドラッグ & ドロップする。中身の入ったフォルダとして全体がコピーされる。
● インスストールもしくは「アプリケーション」フォルダやその他へコピーが終わった場合
ディスクイメージのボリュームや元のdmgは不要。ボリュームを削除する場合は、その場で右クリック(シングルボタンのマウスの場合はcontrol + クリック)して「"○○"の取り出し」を選ぶかゴミ箱へ移動、「ゴミ箱」のアイコンが上向き矢印型に変わり、名称が「取り出し」に変わる(※ Mac OS 10.4では「取り出し」、Mac OS 10.5、10.6では「取り出す」に。右画像は、Mac OS 10.6のもの。また、Mac OS 10.7では、アイコンの形は変わるが、名称は「取り出す」に変わらない)。
(ちなみに、サーバーに接続していて、デスクトップ上のサーバーのアイコンをゴミ箱へ移動すると、「接続の解除」に変わる)。
ボリュームは削除しなくてもシステムを再起動したら消える。
(ちなみに、サーバーに接続していて、デスクトップ上のサーバーのアイコンをゴミ箱へ移動すると、「接続の解除」に変わる)。
ボリュームは削除しなくてもシステムを再起動したら消える。
元のdmgも削除してかまわない。ゴミ箱へ移動し、「ゴミ箱を空にする」場合、マウントしたボリュームを「取り出し」せずに残してあると、「使用中」の警告が出て空にできない。ボリュームを「取り出し」の状態にすれば「ゴミ箱を空にする」ことができる。
(※ Mac OS 10.7では、マウントしたボリュームを残したままdmgのみをゴミ箱へ移動し、「ゴミ箱を空にする」ができてしまう。逆に注意が必要)。
また、バックアップ・再インストール用としてインストール用dmgを削除せず保管しておいてもかまわない(HDの容量に余裕があるなら)。dmgをダブルクリックすればいつでもボリュームとしてマウントできる。
その他のdmgの使い方
● 重要なデータのバックアップ
システムの起動HDやボリュームなどを丸ごとバックアップ。Macのシステムに問題が生じたり、物理的にHDが壊れたり、データを間違って削除などのトラブルにみまわれたとき、バックアップしておいたdmgを「ソース」にして「復元」することができる。Mac OS X 10.4では、システム全体を自動的にバックアップする「Time Machine」が利用できないので、有効な手段のひとつ。
● CD や DVD のバックアップ、複製
大事な CD や DVD に含まれる情報をすべてひとつのディスクイメージに保存できる。その際暗号化もできる。また保存したディスクイメージから CD や DVD を焼くこともできる。
● 自分が作成した作品などのデータのバックアップ
Macのシステムに問題が生じたり、物理的にHDが壊れたり、データを間違って削除などのトラブルに備えて、データをディスクイメージに保存し、他のHDやその他のメディアに移しておく。そのままポトフォリオとして人に渡すこともできる。紛失したときを考慮して暗号化しておくこともできる。
● 私自身の実際の使用例
多くの人が出入りする事務所に私専用のMacを置いておくという期間があった。他の人がこのMacを起動させることもできたので、私自身の重要な個人情報データを暗号化したdmgにまとめておいた。重要度に応じて暗号化したdmgに分けて複数作成し、さらにそれらをひとつの暗号化したdmgにまとめた。
作業日誌のように日々更新するデータやその日の成果を、dmgをダブルクリック、パスワードを入れてディスクイメージのボリュームをマウントさせ、中身のデータファイルを置き換え、ボリュームをアンマウント、と少々手間はかかるが、個人情報データを保護する上でおおいに役立った。この更新されたdmgを外付けUSBメモリにコピーして毎日家に持ち帰ることで最小限ながら同期もはたせた。
また、作業途中のaiやpsdを暗号化したdmgにして、クラウドに上げておくという使い方は現在もしている。外出時どこからでも確認できるという利点のほか、ネットにあげると壊れやすいaiファイルをdmgに入れておくことで保護するという意味もある。
■ dmgを理解するには実際に作ってみるとよく分かる。
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