(1)子会社の横領
上場するためには、一定の企業が必要となりますので、個人商店と異なって組織の規模が拡大していることが分かります。企業は上場することで、社会的な信用を獲得することができますが、企業規模が拡大すると、組織の末端はお金の管理が緩くなります。経理担当やお金を扱う部署は、日常的にお金を扱う事や銀行口座の振込みや引き出しの権限があるため、横領が発生すると言えます。企業規模に関わらず、横領防止や早期発見のためには、監査を厳格に行うことや定期異動が重要になりますね。
(2)増田製粉所子会社の兼三で横領
増田製粉所、子会社横領脱税の不祥事について、2013年5月31日の産経新聞が、スイーツ材料の老舗 小会社社員が3000万円超着服について報道しているので見てみましょう。大証2部上場の老舗製粉メーカー「増田製粉所」(神戸市長田区)は、子会社「兼三(かねさん)」(同区)の40代の男性従業員が、会社の経費約3000万~4000万円を着服していたと発表した。今後、被害額を特定した上で、損害賠償や刑事告訴を検討する。増田製粉所の子会社である、兼三で横領脱税の不祥事が発生したようですね。増田製粉所は、上場企業ですので、グループ会社を管理する必要があったようですね。
(3)増田製粉所の会社概要と決算
- 2011年3月期売上高8,461百万円 当期利益236百万円
- 2012年3月期売上高8,458百万円 当期利益260百万円
- 2013年3月期売上高8,097百万円 当期利益289百万円
(4)兼三の横領と隠蔽の方法
同製粉所によると、男性従業員は約7年前から経理を担当。少なくとも昨春以降、社内の手提げ金庫から現金を持ち出したり、口座から預金を引き出したりし、隠蔽するため架空の在庫を計上するなどしていたという。増田製粉所の子会社で行われた横領と、隠蔽の方法について見てみましょう。
- 金庫から現金の持出し 現金手元残高が減少
- 銀行口座から預金引き出し 預金残高が減少
- 架空の在庫を計上 会計上、現金支出が在庫になったように隠蔽
(5)横領発覚の原因は異動
男性従業員が今月上旬、体調不良で休暇を取ったため、別の従業員が代わりに事務処理した際に発覚した。男性従業員は社内の調査に着服を認め、「飲食など遊興費に使った」と話しているという。兼三で横領が発覚したのは、横領した社員が休暇した際に、事務処理を代行した社員が気付いたようですね。不正発覚のためには、経理担当者のチェックや定期異動が重要であることが分かりますね。
(6)増田製粉所は老舗企業
同社は明治41年設立。製菓用の高級小麦粉などを生産している。増田製粉所は明治に設立した老舗企業ですが、内部管理体制賀緩いと、当然の事ながら不正が発生しています。増田製粉所の子会社を見ると、経理担当者の所属年数が7年と長いですが、他社でも経理担当者による横領が発生したときは、担当年数の長いことが分かります。Any source
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