Wednesday, May 1, 2013

憲法記念日。目前(7月)に迫る国政選挙に向けて,しっかり備えを。

 今日は5月3日。憲法記念日。これまで日本国憲法と真っ正面から向き合うということはほとんどなかったが,ことしは別だ。「アベ蚤ックス」(西谷)の暴走はとどまるところを知らず,このままでは憲法「改悪」にまっしぐら。この暴走をなんとしても,どこかでくいとめなくてはならない。

 そんな切羽詰まった気持ちもあって,今朝から『東京新聞』を隅から隅まで読んだ。どの記事もなかなかよく書けていたが,なかでも,内田樹さんの発言は,ポイントをはずさないみごとなものだった。やはり,レヴィナス研究者としての矜恃が,軸のぶれない思考を支えているのだろう,とこれはわたしの勝手な想像。

 この記事は,同系の『中日新聞』にも掲載されたのだろうなぁ,と想像している。だとすれば,わたしの故郷である豊橋の友人たちも,この記事を読んでいるはず。どんな感想をもったか,こんど逢ったときに聞いてみようと思う。そして,憲法問題について議論もしてみたいと思う。

 今日は『東京新聞』だけでは物足りなくて,『朝日新聞』と『毎日新聞』を買って事務所にきて,憲法をめぐる「思考」のトレーニングをした。さすがに,憲法記念日とあって,各紙とも力を入れて特集記事を書いていて,読みごたえ十分。各紙とも護憲という点では足並みを揃えていて,それぞれに工夫を凝らした特集を組んでいる。しかし,どこか,まだ,物足りない。

 なぜなら,ことしの3月15日の西谷修さんのブログ「憲法論議に備える」に触発されて,早速,「自民党憲法改正草案」なるものをネットからダウン・ロードし,しっかり勉強していたからである。さらに,その手引として,西谷さんは,「9条の会」事務局長・小森陽一さんの「あぶない憲法のはなし 小森陽一 自民党憲法改正草案解読」「平和的生存権 国家の命令で国民は死ねと言われない」(映像ドキュメント.comの制作,You Tubeに配信)を推薦していたので,こちらもしっかり勉強させてもらっていた。

 この小森陽一さんの映像は「その勘所をきわめて簡潔かつ明確に解説している」と西谷さんが絶賛しているように,とてもわかりやすくポイントを指し示してくれる。たとえば,「自民党憲法改正草案」は,これまでの「主権在民」の考え方を否定して,国民から「主権」を奪い取り,その代わりに政府が「主権」を握り,国民を支配することを目的としたものである,と端的に最大の問題点を浮き彫りにしてくれている。もし,そうなってしまったとしたら,国会の過半数の議決で,政府の思うままに,なんでも実行できるようになってしまう,いわゆる「独裁体制」ができあがる,というわけである。ここが「アベ蚤ックス」のめざすゴールなのだ,と。

 この小森陽一さんや,内田樹さん,そして,もちろん西谷修さんらが指摘するような,「自民党憲法改正草案」の裏側に隠された恐るべき意図を,鋭く劈開する読解にくらべると,やはり,新聞メディアの批評は総花的でいささか甘いといわざるを得ない。でも,ひところのような「ブレブレ」だった新聞各社も,ここにきて少し腰が坐ってきたように思う(逆の方向に腰が坐ってしまった新聞もあるが)。せめて,新聞だけは,ことの本質をしっかり報道してくれないと困る。テレビがまるで足並み揃えたかのように,国家権力に対して「自発的隷従」の姿勢をとりつづけているのだから。

 ところで,映像ドキュメント.comでは,小森陽一さんの「あぶない憲法のはなし」をDVDにして販売するという。この連休明けには発送開始とのこと。本編24分。1200円(送料140円)。連絡先は,〒.112-0001 文京区白山5-36-6-301 スペース白山内,Fax:03-3415-9325.詳細は,映像ドキュメント.comのホームページで。

 このDVDをテクストにして,憲法についての勉強会を,できるところから始めようと思う。そうして,なにがなんでも参議院議員の議席の三分の二を,政府与党や改憲推進派に取られないように阻止しなくてはならない。

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