(1)銀行倒産とゼネコンの不良債権
銀行の倒産は不良債権が引き金となる場合があり、金融危機も銀行の不良債権が理由でした。日本の都市銀行で、北海道拓殖銀行が倒産しましたが、東海興業やカブトデコムの不良債権が大きな原因です。カブトデコムが倒産する前に、メインバンクの北海道拓殖銀行は不良債権の増加で倒産しており、整理回収機構に債権譲渡されています。韓国経済は、輸出産業を中心に著しい成長ですが、財閥や銀行の倒産による不良債権が、金融システムに影響するかどうか気になりますね。
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(2)カブトデコムと北海道拓殖銀行の破綻
カブトデコムの会社概要について、北海道拓殖銀行 倒産とカブトデコム解散でまとめましたが、メインバンクの北海道拓殖銀行と関係が密接であったことが分かります。
- 拓銀が積極的に支援していたデベロッパーのカブトデコム
- 1994年以降、一度も経常黒字を計上できず債務超過は5061億円
- 北海道拓殖銀行からの借入金は約4000億円
- 拓銀の倒産は、カブトデコムへの巨額の不良債権が原因のひとつ
- 整理回収機構が債権を引き継ぎ
- 2009年7月に開催されたG8主要国首脳会議の会場となったザ・ウィンザーホテル洞爺(旧:ホテルエイペックス洞爺)を所有
カブトデコムは債務超過で倒産していますが、北海道拓殖銀行は多額の不良債権計上により倒産しています。カブトデコム倒産の理由について、2013年4月30日の帝国データバンクが、カブトデコムが負債5061億円で特別清算開始決定について報じているので見てみましょう。
北海道の釧路で最大規模の水産加工会社が倒産していますが、釧路丸水 倒産の理由を見ると、水産業に与える影響に注目ですね。
(3)カブトデコムの赤字と不祥事による信用不安
しかし、その後はバブル経済の崩壊による不動産市況の落ち込みから業績の悪化を余儀なくされ、93年3月期には赤字に転落。
同年12月には創業者で当事社長だった佐藤茂氏が手形偽造容疑で札幌地検に逮捕される事態が発生(99年8月に無罪が確定)。
カブトデコムは業績悪化により倒産危機となっていますが、1993年3月期決算で赤字計上後、決算は好転しなかったようですね。
企業の信用力で経営者の能力は重要ですが、創業者社長が逮捕されると不祥事により信用力が大きく低下します。カブトデコムの社長は無罪となっていますが、会社経営に影響があった可能性があります。
(4)北海道拓殖銀行の経営破綻と整理回収機構に債権譲渡
さらに、97年11月には当社に巨額の融資を行っていた北海道拓殖銀行が経営破たんし、当社向けの債権が整理回収機構に譲渡。99年6月には店頭管理銘柄を取り消されたほか、2002年3月に同機構に対する債務約3865億円のうち約51億9724万円について、2010年9月を最終期日として8年間で分割弁済する旨の合意がされていた。
北海道拓殖銀行の経営破綻により、カブトデコムの債権を整理回収機構に債権譲渡したようですね。債権は譲渡可能ですが、不良債権はポンカスと呼ばれており、大幅に価格が割引されて売却されます。
(5)債務弁済ができず、債務超過により解散を決議
しかしこの間、当社の業容が大幅に縮小するなかで、残債約6億円の支払履行がされず、2012年9月中間期では約5060億円の債務超過となり、今年2月28日開催の臨時株主総会で解散を決議していた。
カブトデコムは大幅な債務超過となっていますが、整理回収機構との債務弁済ができず株主総会で会社解散を決議しています。
(6)北海道の倒産で過去3番目
負債は2012年9月中間期で約5061億円。道内の倒産としては、たくぎん保証(株)(負債約6100億円、破産、98年3月)、たくぎん抵当証券(株)(負債約5391億円、破産、97年11月)に次ぐ過去3番目の規模。北海道の倒産で、カブトデコムの倒産は過去3番目の規模ですが、北海道拓殖銀行の破綻によるものを除くと、最大規模の倒産ですね。
- 1998年3月 北海道拓殖銀行子会社 たくぎん保証(株) 負債約6100億円
- 1997年11月 北海道拓殖銀行子会社 たくぎん抵当証券(株) 負債約5391億円
- 2013年4月 カブトデコム(株) 負債約5061億円
北海道の釧路で最大規模の水産加工会社が倒産していますが、釧路丸水 倒産の理由を見ると、水産業に与える影響に注目ですね。
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