(1)設備投資と倒産
設備投資を行ったものの、想定した売上や受注がなければ、稼働率は低下します。設備投資を借入金に依存した後に売上が減少すると、返済が困難になり経営が悪化して倒産することもありますね。(2)創業200年を超える老舗のみそ製造業
長野味噌、倒産の理由について2013年4月2日の中日新聞が長野味噌が破産手続きと報じているので見てみましょう。帝国データバンク長野支店は一日、一七七二年創業の老舗みそ製造業「長野味噌(みそ)」(上田市)が東京地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けたと発表した。負債総額は十四億円。長野味噌は、創業200年を超える老舗みそ製造業ですので、江戸時代から事業を続けていることになります。長野味噌は、経済環境の変化を乗り越えた企業と言えると思いますが、倒産した理由について見てみましょう。
長野味噌の他にも、長野県にはマルコメなどの有名味噌メーカーがあり、長野県は味噌の産地として有名ですね。
(3)中国に関連会社を設立
同社は一九九四年、中国に関連会社を設立し、九七年から現地でみそ製造を本格稼働。ピークの九六年八月期に三十一億二千万円の売上高を計上した。長野味噌は、中国工場の生産開始後に売上高が最盛期を迎えているようです。長野味噌は、中国での事業拡大を検討していたのかもしれないですね。
(4)長野味噌の売上高が急減
- 1772年創業
- 1994年長野味噌が中国に関連会社を設立
- 1996年8月期(1995年9月1日~1996年8月31日) 31億2000万円の売上高が過去最高
- 1997年中国でみそ製造を本格稼働
- 2012年8月期(2011年9月1日~2012年8月31日) 16億400万円の売上高
(5)中国工場の投資失敗で倒産
近年みそ需要の低迷から売り上げが伸び悩み一二年八月期の売上高は十六億四百万円まで減少。中国の関連会社への設備投資が負担となり、厳しい経営が続いていた。長野味噌は、中国工場が稼動してから売上高が増加していないため、国内工場のみで生産能力が足りていた可能性が高く、中国工場の設備投資が無駄になっていることが、売上高から分かります。
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