Friday, June 28, 2013

ササ井鋼建 倒産の理由

ササ井鋼建が倒産しましたが、倒産理由は不良債権の発生のようですね。ササ井鋼建は、卸売業ですので利益率が低かったことが予想されますが、与信管理に失敗すると連鎖倒産となることが分かります。

(1)倒産の理由と連鎖倒産

連鎖倒産は倒産の理由で、有力な理由の一つです。中小企業は大企業と異なり、資金余力が限られますので、取引先や関係会社が倒産すると連鎖倒産になることが分かります。

連鎖倒産は、取引先への連帯保証や保有債権の不良債権化により、財務が悪化することでよく発生しますね。中小企業に高い与信能力が求められるのは、大口取引先の倒産が経営危機に繋がる可能性が高いからと言えます。

(2)鋼材卸会社が自己破産

ササ井鋼建 倒産の理由について、2013年6月28日の帝国データバンクが、富山 鋼材卸会社 自己破産申請へを報じているので見てみましょう。
ササ井鋼建(株)(TDB企業コード:370211401、資本金4500万円、富山市針原中町342、代表堀川裕司氏ほか1名、従業員22名)は6月28日までに事業を停止し、事後処理を島谷武志弁護士(富山市西田地方町1-6-8、島谷法律事務所、電話076-422-8585)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。
富山県の鋼材卸会社である、ササ井鋼建が自己破産の申請を行うようですね。ササ井鋼建が民事再生手続きではなく、自己破産申請を行うということは、スポンサーが見込めなかった可能性があります。

(3)土木建設用の各種資材販売や鉄骨建築工事

当社は1992年(平成4年)3月に設立された鋼材卸業者。鋼材を主力に、土木建設用の各種資材販売のほか、外注による鉄骨建築工事を行い、ピークとなった2006年2月期の年売上高は約64億7100万円を計上していた。
ササ井鋼建の事業内容を見ると、鋼材卸業者として資材販売や外注工事ですので、利益率が低かった可能性が高いですね。

(4)卸業者資金繰りの特徴

  1. 売掛金や受取手形が多い
  2. 買掛金や支払手形が多い
  3. 借入金など負債が多い
  4. 利益率が低い
ササ井鋼建以外もそうですが、卸業者利益率が低い一方で、信用取引が多く製品在庫を抱えるために取引先の与信管理が重要になります。卸業者は利益率が低く、売上債権と仕入債務の割合が多くなりますので、取引先が倒産すると、資金繰りが大きく悪化するときがあります。

(5)不良債権と関係会社支援で借金増加

しかし、その後は景気後退で建築需要の落ち込みで売上高は漸減し、2012年2月期には約30億7100万円にまで減少していた。この間、主力販売先に対する不良債権の発生と関係会社に対する支援を行ってきたため、借入金が膨張し、資金繰りに余裕がなくなっていた。
ササ井鋼建は東京商工リサーチで、取引先の破綻により3億円の不良債権が発生したと報じられており、卸売業者の利益率が低いことを考えると資金繰りを圧迫していたことが考えられますね。

アベノミクス崩壊 倒産の真相を見ると、一部メディアがアベノミクスとの関連を報じていますが、政権交代前に不良債権発生と借入金が増加していることが分かりますね。

(6)資金回収に失敗

2013年2月期の年売上高は約38億600万円まで回復したが、一部支援してきた取引先からの資金回収も進まず、市況低迷や鋼材価格の上昇に対応できず、事業継続を断念した。負債は2013年2月期末時点で約32億6300万円。
ササ井鋼建は、不良債権の発生により資金繰りが圧迫されていましたが、資金回収に失敗しており、卸売業は利益率が低いため業績回復に失敗したようですね。
  1. 2006年2月期 売上高約64億7100万円
  2. 2012年2月期 売上高約30億7100万円
  3. 2013年2月期 売上高約38億600万円
ササ井鋼建は売上高が大きく減少していますが、倒産の理由は売上高の減少よりも不良債権発生が引き金となっている可能性が高いです。ササ井鋼建の倒産事例を見ると、中小企業は与信管理が重要であることが分かりますね。

べんりーい食品工業 倒産の理由は、不良債権の発生が一つの理由となっており、中小企業の与信管理は、経営危機に繋がるため重要であることが分かります。
Any source

No comments:

Post a Comment