(1)倒産と売上の減少
企業は売上が減少したとしても、固定費として社員の人件費や工場、設備などの維持管理費や減価償却の費用が発生します。企業は、販売機会の喪失を防ぐために、一定量の在庫を確保していますので、在庫を不良在庫として商品評価損を計上する必要があるときもあるでしょう。環境の変化により、取引先の倒産や受注の減少することがありますが、リストラに失敗すると中小企業は、企業体力が限られるため、あっという間に倒産することがあります。
(2)アイエフ産業が自己破産
アイエフ産業 倒産の理由について、2013年6月1日の産経新聞が、アイエフ産業、自己破産申請 福井について報じているので見てみましょう。帝国データバンク福井支店によると、精密機械卸売会社「アイエフ産業」(福井市二の宮)が31日付で事業を停止し、福井地裁へ自己破産を申請した。負債額は約11億1900万円。アイエフ産業が自己破産の申請により倒産していますが、精密機械卸売会社として取引先は優良な取引先が多かったようですね。
(3)優良取引先が多い
同支店によると、同社は昭和60年8月に設立。各種省力化機械、公害防止設備、理化学機器などの販売とプラント工事を請け負っており、県内外の大手メーカーや大学、自治体、研究機関などが得意先。アイエフ産業の取引先は、大手メーカーなどの優良取引先を得意先として持っていたように見えます。アイエフ産業が持つ取引先は、イメージで言えば優良に思えますが、デメリットや最近の動向について考えて見ましょう。
(4)優良取引先を持つデメリット
- 大手メーカー 売上回収期間が長い
- 大学 少子高齢化や国立大学法人化などによる予算の削減
- 自治体 税収の減少による予算の削減
- 研究機関 海外移転や代替技術の開発
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アイエフ産業は機械卸売会社ですので、付加価値を産みにくい業種であり、取引先の収益や業界構造に依存する体質であることが分かります。
(5)大型案件の受注が減少
平成20年7月期に年間売上高が約25億1100万円を計上したが、大型案件の受注が減少。組織のスリム化を図ったが、回復が見込めず、事業を断念したとしている。アイエフ産業が倒産した理由は、環境の変化により大口の受注が減少したものの、リストラによる組織縮小が追いつかなかったようですね。
(6)売上減少によるリストラの必要性
- 在庫の削減によるリストラ
- 社員の削減によるリストラ
- 事務所や工場、倉庫などの削減によるリストラ
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