(1)逮捕と不正融資
樟蔭東学園と小山昭夫氏は、不正融資により大阪地検特捜部の捜査を受けていましたが、不正融資のお金を返済した後に、山林の売買契約を締結することで、そのお金が還流する仕組みを構築していたようです。樟蔭東学園と小山昭夫氏の学校乗っ取り事件や不正融資について、これまでの経緯について気になる方は、2012年10月時点ですが上記をご参照。
(2)樟蔭東学園 不正融資事件の経緯
- 小山昭夫氏が樟蔭東を資金支援 人事権を得る
- 家電量販店に高校グラウンドを売却、23億円で売却(学校は残額18億2000万円か
- 小山昭夫氏(学園顧問)に高橋努理事長が、4億8000万円融資
- 3億8000万円は、樟蔭東学園とは関係のない学生寮の建設 、残りは個人の借金返済1億円
- 文部科学省 現金で即座に回収を指示、小山氏 堺市内の山林を拠出
- 借入残高4億3,000万円 山林の土地価格との差額は1億5,000万円
(3)樟蔭東学園の不正融資と合意書
樟蔭東学園、逮捕背任と粉飾決算について2013年3月26日産経新聞が大阪地検返済は「見せかけ」と判断 樟蔭東背任と報じているので見てみましょう。学校法人・樟蔭東学園(大阪府東大阪市)をめぐる不正融資事件で、理事の小山昭夫容疑者(81)が昨年11月、融資の返済として4億3千万円を学園側に振り込む際、それ以前に融資の代物弁済として学園側に渡していた堺市内の山林について、学園側が買い取る内容の合意書が交わされていたことが26日、関係者への取材で分かった。樟蔭東学園の小山昭夫に対する不正融資事件ですが、小山昭夫氏が不正融資の借入を返済した後に、価値の低い山林を返済したお金と同額で回収する合意書があったようですね。
(4)小山昭夫氏の樟蔭東学園から資金回収の仕組み
山林の買い取りで、返済として振り込んだ金が小山容疑者に戻る形になり、大阪地検特捜部は現金返済は見せかけと判断。同日、背任罪で、小山容疑者と前理事長の高橋努容疑者(67)を起訴した。小山昭夫氏は、樟蔭東学園に一時的にお金を返済するものの、価値の低い山林の売却を行うことで1億円以上の差額を得る形になります。
- 借入残高4億3,000万円を現金で返済
- 樟蔭東学園と小山昭夫氏が山林の売買契約を4億3,000万円で行う
- 山林の価値は2億8000万円
- 小山昭夫氏が借入残高と山林売却の差額1億5,000万円を儲ける
(5)樟蔭東学園と小山昭夫氏のお金の流れ
起訴状によると、両被告は平成22年3~4月、理事会の決議を経ずに学園から当時、学園顧問だった小山被告に計3億8千万円を無担保で貸し付け、学園に損害を与えたとされる。
小山被告は同年12月に現金で5千万円を返済したが、23年4月に1億円の追加融資を受け、最終的に計4億3千万円が焦げ付いた。
同年12月、山林で4億3千万円分を代物弁済したが、特捜部が学園などを家宅捜索した翌月の昨年11月、株の売却などで調達した4億3千万円を学園の口座に振り込んでいた。樟蔭東学園と小山昭夫氏のお金の流れについて、4億3千万円の振り込みと山林の売却によるお金の回収を時系列に見てみましょう。
- 平成22年3~4月 樟蔭東学園が小山昭夫容疑者に計3億8千万円を無担保で貸付け
- 平成22年12月 小山昭夫容疑者が現金で5千万円を返済
- 平成23年4月 樟蔭東学園に小山昭夫容疑者に1億円の追加融資
- 平成23年11月 小山容疑者が樟蔭東学園に4億3千万円を学園の口座に振り込み
- 平成23年12月 小山容疑者が山林で、樟蔭東学園に4億3千万円分を代物弁済
(6)現金返済の体裁と山林売却による回収
関係者によると、振り込み前、小山被告と学園側との間で「山林を学園が適正な価格で買い取る」との合意書を作成、金が小山被告に戻ることになっていたという。特捜部は、小山被告が現金返済の体裁を整え、刑事責任を逃れようとした疑いがあるとみている。樟蔭東学園と小山昭夫氏の契約のポイントは、現金が小山昭夫氏の手元に戻ることですね。小山昭夫氏は山林を売却しますが、学校経営には不要です。
- 小山昭夫氏が売却する山林の価格は時価より1億5000万円安い
- 樟蔭東学園の学校運営に山林は不要
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