Sunday, September 30, 2012

日本触媒 事故原因と重合

日本触媒の姫路製作所で、爆発事故が発生しました。その原因について、アクリル酸の性質と共に、紹介、事故原因について、簡単に推測しています。何れにしろ、情報が不足しており、日本触媒の速やか情報開示が望まれます。


アクリル酸の温度上昇


引火点 68 °C
沸点141 °C(追記)
アクリル酸の引火点は、68℃と比較的温度が低いです。
日本触媒の防火設備について、記事では触れられています。

何が原因なのか… 日本触媒「ここ数日、タンク異常なかった」 2012.9.29 22:17
 同社によると、数十年前にタンク爆発事故が起きたことを受け、爆発の危険がある酸素濃度の比率を減らすため、窒素を投入したり、常に社員が管制室で温度を監視したりするなどの安全対策を進めてきた。
日本触媒は、爆発の対策として、窒素を投入しています。

ただし、窒素の投入は燃焼を防ぐことはできますが、化学反応は別問題です。
高分子ですので、重合開始剤、もしくは何らかの要因で反応が始まれば、温度は上昇します。

重合反応について

重合反応(じゅうごうはんのう)とは重合体(ポリマー)を合成することを目的にした一群の化学反応の呼称である。また重合反応はその元となる反応の反応機構や化学反応種により細分化され、区分された反応名に重または重合の語を加えることで重合体合成反応であることを表す。
モノマー(液体)に重合開始剤をいれると、ポリマー(固体・重合体)になります。
一度、反応が開始されると、温度が高ければ反応は早まります。

日本触媒姫路工場は、爆発の1時間前にアクリル酸の温度が異常に高まったことが報告されています。もし、重合反応の条件が揃っていれば、温度上昇は、急速に反応が進むことを意味します。

工場火災、放水中に爆発!消防隊員1人焼死 2012.9.30 05:02
高所から水を浴びせる屈折放水塔車が放水中、タンクの下から茶色い液体が漏れ出ていた。「大丈夫か」。そう思った瞬間、爆発。多くの隊員にアクリル酸が降り注いだ。「防火服を着ていても、近くで大量に浴びた同僚は重傷を負った」と唇をかんだ。
重合が進むと液体から固体に変化するので、体積が縮みます。

これは、管理人の想像ですが、タンクの下から中に向かって力が加わり破損した可能性はないでしょうか(あくまで想像です)。

無色透明の液体
加えて。報道では漏れでたのは、茶色の液体となっていますが、アクリル酸は無色透明の液体であり、何がどういう形で漏れていたのか。気になります。

重合防止剤の不足 点検の有無の可能性について

オギョモ
(@ogyomo)

2012/09/30 05:17:37
from Echofon
@Portirland 得られている情報だけでの推測。毎日JPには「爆発で飛び散ったゼリー状の物質」とあるので、これはポリマー?同じく「アクリル酸を中間貯蔵する円柱形のタンク」とあるので、貯蔵タンクと判断。よって重合防止剤不足→自然重合→温度上昇→暴走反応を起こしたのかな、と。
tamugon(嫌東電)脱原発に70億票
(@Portirland)

2012/09/30 05:29:09
from SOICHA
@ogyomo 情報深謝です。連続生産中に起こるとすれば、前からもあり得ると思うので、定期点検か何かでプラント止めてたと思いますか? @ogyomo @Portirland 得られている情報だけでの推測。毎日(cont) tl.gd/jfifsv
オギョモ
(@ogyomo)

2012/09/30 05:49:02
from Echofon
@Portirland そこは目を付け忘れていました。>「連続生産中に起こるとすれば、前からもあり得ると思う」仰る通り連続運転ならば起きなさそうですね。ふつう重合防止剤濃度低下って長期保管とかが原因ですし。そうなるとやはり仰るように定期点検等の理由で止めていたかですよね。
オギョモさんが、重合防止剤不足の可能性について指摘しています。
管理人は、定期点検か何かで、当時、何らかの設備が停止していた可能性が思い浮かびました。

どちらも推測ですが、今後の報道を見るうえで、一つのポイントになると思います。

温度管理について

tamugon(嫌東電)脱原発に70億票
(@Portirland)

2012/09/30 06:02:51
from SOICHA
@ogyomo 仮に重合としても、温度が低ければ反応は緩やかでしょうし(ただ、内部の反応熱によるものと、量によるとは思うのです)。
@ogyomo @Portirland そこは目を付け忘れていました。>「連続(cont) tl.gd/jfij4r
オギョモ (@ogyomo)
2012/09/30 06:30:23
from Echofon
@Portirland 温度管理はとても気になります。仰る通り温度が制御できれば反応も抑えられますし。モニタはしているが制御していない、はあり得そうですが、6m弱のタンクなので冷却機くらいはついていても良さそうです。管制室で温度上昇を捉えたそうなので、モニタは出来ていた?
重合反応を加速させる要因の一つが、熱です。
化学反応で熱が発生しますので、反応が始まると熱により連鎖的に反応が加速します。

爆発の1時間半前に、温度の異常上昇は捉えられており、モニタリングはされています。

冷却機の稼動状態・重合開始(していたとして)に対して十分に冷却できる能力があったのかどうかも、一つのポイントになると思います。

オギョモ
(@ogyomo)

2012/09/30 13:35:33
from Echofon
@Portirland ちなみに北大大谷教授はリアクタの暴走反応という見解ですね。 goo.gl/p7W3h というか日本「触媒」だから触媒系の学者さんに伺ったっぽいですが、この事故についての見解は同業他社か高分子、化学工学系の人の方に聞くべきではないかと。
▲反応で発熱、暴走し爆発か 日本触媒事故 2012/9/29 22:46

 大谷文章・北海道大触媒化学研究センター教授(触媒反応化学)の話 アクリル酸は別の有機化合物の酸化反応でつくるが、それは熱が出る反応。いわば燃えているようなもので、反応を制御して温度の上昇を防がなければならない。何らかのトラブルで制御ができなくなると反応は暴走し、温度の上昇が止められずに発火する。 
 今回の事故では、反応の暴走で生じた熱が中間貯蔵タンクに伝わって、火災や爆発につながったのではないか。またアクリル酸から合成樹脂をつくる反応である重合でも発熱する。この際にも暴走することがあり、事故にはこの過程が関わっている可能性も考えられる。
オギョモ
(@ogyomo)

2012/09/30 14:35:02
 from Echofon
@Portirland すみません、大谷教授のTwitterによると共同通信からの連絡でコメントをしたそうなので、日経取材ではないそうです。大谷教授は自分のフィールド内(タンクの前段リアクタでの触媒反応)でお話をされていますね。うちみたいに門外漢なのにあれこれ推測するでもなく。
オギョモ
(@ogyomo)

2012/09/30 14:35:30
from Echofon
@Portirland だんだん分からなくなってきました。大谷教授曰くタンクの前段(プロピレン→アクリル酸)、後段(アクリル酸→各種ポリマー)のリアクタでの暴走反応なら、タンクより先にリアクタで温度異常が検知(それ以前に温度制御)されるべきですし…また何か情報あれば共有します。
大谷教授の指摘について、オギョモさんが上記で解説してくれています。
ただ、現状は化学プラントの、前後の工程の状況と状態を含めて、不透明な部分が多いです。

▲日本触媒姫路工場爆発 地図と場所 核物質保管か 2012/09/29

事故原因について、推測の内容が多いですが、それを否定・検証するためにも、当時の状況について情報が必要です。

日本触媒は、可能な限り素早く、詳細な情報を出すべきであると思います。HomeAny source

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