Tuesday, September 25, 2012

東電が福島原発 放射能漏れを少なく見せる 簡単な3つのテクニック

東電が福島原発の放射能放出量を発表しています。グラフの見せ方・単位・定義を考えることで、簡単に少なく見せることに成功しています。

▲東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ進捗状況(概要版) 2012年9月24日

放射性物質漏洩量

1~3号機原子炉建屋からの現時点の放出量(セシウム)を,原子炉建屋上部等の空気中放射性物質濃度(ダスト濃度)を基に,1号機約0.003 億ベクレル/時,2号機約0.005 億ベクレル/時,3号機約0.02 億ベクレル/時と評価。1~3号機合計の放出量は設備状況が変わらないこと等から先月と同様に最大で約0.1 億ベクレル/時と評価。これによる敷地境界における被ばく線量は0.03mSv/年と評価。(これまでに放出された放射性物質の影響を除く)


以 上
放出量についても、わざわざ表記を変えています
少し単位表記を変えるだけでも、かなり印象がかわります。

グラフの見せ方について 数値を少なく見せる

これはよくある技法です。
グラフの一番左端の7月のデータが突出して大きいのが分かると思います。

データは2011年7月~2012年9月なので、1年間で比較するなら特段用いる必要はありません。
1年間分として、10月~9月までのデータで、簡単に比較します。

※数字は、上記グラフから目分量で抽出。(各月放出量のソースを見つけれませんでした)

※10月… 1億ベクレル 11月~1月… 0.5億ベクレル 2月~9月…0.1億ベクレル

東電発表のグラフのイメージとかなり、変わると思います。
このやり方は、グラフを見せる技法の一つで、よく使われるやり方です。

事実上、放出量の単位は、(億ベクレル/時→1000万ベクレル/時)にしました。

(1)0から離れており、未だに漏洩が続いている事がはっきりと分かると思います。

(2)7月のデータを除けると、減少量の幅が小さくなっており、最近変化がないことがはっきりとわかります。

単位表記の変更 時・日・月

約0.1億ベクレル/時 → 2.4億ベクレル/日 → 72億ベクレル/月

○約1000万ベクレル/時 → 2億4000万ベクレル/日 → 72億ベクレル/月

○約10,000,000ベクレル/時 → 240,000,000ベクレル/日

→ 7,200,000,000ベクレル/月

一番左上の、約0.1億ベクレル/時という単位を用いています。
他の数値を採用するだけでも、かなり印象が変わるのが、分かると思います。

放出量の定義について 汚染水の漏洩を見ると

上記は、単位の表記方法についてです。
続いて、放出量について見てましょう。

1~3号機原子炉建屋からの現時点の放出量(セシウム)を,原子炉建屋上部等の空気中放射性物質濃度(ダスト濃度)を基に,1号機約0.003 億ベクレル/時,2号機約0.005 億ベクレル/時,3号機約0.02 億ベクレル/時と評価。
つまり、建物上部のデータで、漏れている量を推測しているわけです。

当然ですが、突発的に漏れ出す、汚染水の量は別です。

▲東電福一4号機で汚染水漏れ セシウム3234億ベクレル 2012/08/14

3234億ベクレルという量ですが、どれ位になるのかと言うと。

大気中に漏れ出ている推測が、72億ベクレル/月ですので、この1回の事故で約45ヵ月分漏洩していることが分かります。

単位が大きいと分かり難いですが、単位を少し変えるとそのイメージが分かると思います。
簡単な3つの手法ですが、政府発表などでもよく使われますので、注意深く見てみて下さい。HomeAny source

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