(1)北海道の倒産
北海道は過去に都市銀行が倒産していますが、銀行の倒産は地域経済に大きな影響を与えますので、北海道の不況が長引いた原因であると指摘されています。
北海道は名産品が多いため、全国の北海道物産展やスーパーなどに出展していた、有名なお店も倒産していますね。
(2)釧路丸水が民事再生法を申請
釧路丸水、倒産の理由について、2013年7月30日帝国データバンクが、北海道・釧路地区トップクラスの水産食品製造業者が倒産を報じているので見てみましょう。(株)釧路丸水(TDB企業コード020010793、資本金7650万円、白糠郡白糠町庶路甲区6-577、代表近藤信治氏)は、7月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。釧路丸水が民事再生法を申請して、倒産しています。地方に拠点を置く企業でも、東京地方裁判所に申請する企業が多いのは、債権者集会などを考慮しているのか気になりますね。
(3)釧路丸水の企業概要 釧根管内トップクラスの売上
- 食品製造や生鮮魚介卸では、釧根管内トップクラスの企業
- 釧路・白糠港や北海道内各漁港で水揚げされた魚介類が原料
- 秋サケ、タコ、サンマなどを主力原料に、新巻鮭、刺身タコ、いくら醤油漬け、辛子明太子、鮭フレークなどの水産食品製造
- 1965年 4月設立
- 1985年 卸売センター
- 1987年 第2食品工場
- 1989年 鮭フレーク専用工場を建設
- 1989年3月期売上高 約118億6700万円
- HACCP認定工場として設備を整え、安全性が認定
- 道内外の荷受機関や水産商社など幅広い販路
- 一般個人向けにインターネットなどを活用した通信販売も行う
- 2009年3月期 大幅赤字
- 2010年3月期 大幅赤字で債務超過
- 2011年4月 金融円滑化法に基づく返済猶予
- 2013年3月期売上高 約63億円 5期連続の赤字
(4)大赤字で債務超過
しかし、水揚げ不振で原魚不足や原魚価格が高騰するなか、消費低迷とデフレによる販売価格の低下から売上高が落ち込む一方、2009年3月期および翌2010年3月期には、稼働優先によって積み上がった在庫を処分したことから大幅な赤字となり、債務超過に陥った。釧路丸水は、多額の設備投資を行ったものの、水揚げ不振などにより加工工場の調達価格が上昇した可能性がありますね。
- 魚の不足と価格上昇 費用上昇
- 消費低迷とデフレ 売上減少
- 利益の減少=売上減少(消費低迷とデフレ)-費用上昇(魚の不足と価格上昇)
(5)債務超過と5期連続赤字
そのため、取引金融機関や取引先の支援を受けながら体質改善に取り組んでいたが、主要原料となる秋サケ、タコの不漁が続き、2011年3月期以降も業績は回復せず、2013年3月期の年売上高は約63億円まで落ち込み5期連続の赤字となっていた。釧路丸水は債務超過となった後も、赤字が続いており5期連続赤字となっています。釧路丸水は、金融機関や取引先の支援はあったようですが、業績悪化が続いていたことが分かりますね。
(6)金融円滑化法による返済猶予の支援で再生せず
この間、過年度の設備投資により資金が固定化していたことから、2011年4月には金融円滑化法に基づく返済猶予による支援を受けていたものの、業況回復の見通しが立たたないことから関係機関を交え再建を模索していた。負債は推定45億円だが変動している可能性がある。釧路丸水は中小企業金融円滑化法により返済猶予を受けていたようですが、5期連続赤字となっており企業再生は行えなかったようですね。
釧路丸水のような加工工場が、水産業の生産性向上に重要な役割を果たしていますので、釧路漁港周辺の経済や漁業者への影響に注目ですね。Any source
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