Saturday, March 30, 2013

社団ときわ会 倒産の理由

常盤平中央病院などを運営する社団ときわ会が倒産しましたが、その理由について見てみましょう。社団ときわ会は、病院経営以外に、有料老人ホームなどに多額の資金を投資したことで、資金繰りが逼迫して倒産したようですね。

(1)病院の倒産

病院は、医師の収入が多く経営が安定しているイメージのある方が多いと思いますが、多額の設備投資後に経営計画通りにいかなければ、倒産することが分かります。

病院は競争が激化しており、長期の通院や近隣に病院が他にない場合は、病院の状況についても注意する必要があるのかもしれないですね。

(2)医療法人 社団ときわ会の倒産

常盤平中央病院、倒産の理由について2013年3月30日の東京商工リサーチが、(医)社団ときわ会[千葉] 病経営民事再生法申請/負債総額 約19億8200万円について、民事再生法申請/負債総額 約19億8200万円報じているので見てみましょう。
(医)社団ときわ会(TSR企業コード:320180379、松戸市常盤平6-1-8、設立昭和48年2月14日、資産総額7996万7759円、田村仁理事長、従業員168名)は3月29日、千葉地裁へ民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は森浩志弁護士(西村あさひ法律事務所、東京都港区赤坂1-12-32、電話03-5562-8500)。監督委員は宮本勇人弁護士(弁護士法人リバーシティ法律事務所、市川市市川南1-9-23、電話047-325-7378)。事件番号は平成25年(再)第3号。負債は債権者数約100名に対して、約19億8200万円
常盤平中央病院などは、社団ときわ会が運営していますが、医療法人であることがポイントですね。社団ときわ会は、複数の病院や老人ホームなどを経営しており、負債金額が診療所などと比較して大きいことが分かります。

(3)常盤平中央病院から社団ときわ会に名前を変更

昭和36年に創設し「常盤平中央病院」を開設。昭和48年2月に(医)社団常盤平中央病院へと法人化。平成2年8月に(医)社団ときわ会へと商号を変更した。
常盤平中央病院の名前が、社団ときわ会に変更されており、常盤平中央病院が医療法人のはじまりであることが分かります。

(4)常盤平中央病院の診療科目と病床数

内科、外科、循環器科、胃腸科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、リハビリテーション科を診療科目とし、「常盤平中央病院」は一般病床数27床、療養病床数58床。「常盤平記念病院」は療養病床数58床の入院施設を備えている。
社団ときわ会の診療科目と病床数を見ると、大規模病院ではないものの、診療科目が多いことが分かります。
  • 内科
  • 外科
  • 循環器科
  • 胃腸科
  • 整形外科
  • 皮膚科
  • 泌尿器科
  • リハビリテーション科
  • 常盤平中央病院 一般病床数27床
  • 常盤平中央病院 療養病床数58床
  • 常盤平記念病院 療養病床数58床
社団ときわ会は、常盤平中央病院と常盤平記念病院を運営していますが、他にも福祉事業を複数運営しています。

(5)社団ときわ会運営の福祉事業

その他、関連事業として「常盤平地区在宅介護支援センター」「常盤平訪問看護ステーション」「常盤平デイ・サービスセンター」「介護付有料老人ホームときわ苑」「常盤平ショートステイ」を運営していた。
社団ときわ会が運営する福祉事業や老人ホームについてみて見ると、病院事業以外にかなりの数を運営していることが分かります。
  • 常盤平地区在宅介護支援センター
  • 常盤平訪問看護ステーション
  • 常盤平デイ・サービスセンター
  • 介護付有料老人ホームときわ苑
  • 常盤平ショートステイ
社団ときわ会倒産の理由は、急速に拡大した老人福祉事業により借入が増加したものの、経営計画通りにいかなかったことのようですね。

(6)業績に余裕のない中で、多額の設備に失敗

平成24年3月期は年商11億5180万円、当期利益97万円を計上していたが、財務体力を欠いたなかで、平成24年5月に「介護付有料老人ホーム」を開設し、この施設や諸設備に多額の資金を投下。しかし、当初の計画通りに入居者が集まらず、先行投資による過剰な金融債務を抱えた状況を余儀なくされたことから、経営維持に支障をきたしていた。
社団ときわ会は、ほとんど利益を計上していませんが、業績に余裕のない中で、老人福祉事業に多額の設備投資を行っています。

借入が多い状況ですので、社団ときわ会の経営計画通りに、入居者を確保できなければ経営は息詰まりますね。

(7)民事再生法の申請とスポンサーの確保

こうしたなか経営再建策を模索し、(医)社団さくらライフ(TSR企業コード:298184761、東京都)がスポンサーとなり、人的・資金的な支援を受ける一方、再建手続きとして民事再生法の適用を申請した。なお現在も同社団は通常通り運営されている。
社団ときわ会は、民事再生法の申請により倒産しましたが、スポンサーを確保しており債務カットの後に、再建を目指すのではないでしょうか。社団ときわ会、倒産の理由を見ると医療法人が老人福祉事業に手を伸ばして経営が悪化するケースに注意が必要ですね。Any source

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