(1)ローン総量規制と過払い金訴訟
消費者金融業界は、消費者の資金需要やCMなどによる宣伝で、急激に融資金額を伸ばしてきました。武富士のCMを、テレビで目にしたことのある方は多いと思いますが、武富士は破綻するまで消費者金融業界でシェア1位の東証一部上場企業でした。
カードローンは家計の資金繰りを助ける手段となっていましたが、貸金業法の改正による総量規制とグレーゾーン金利による過払い金訴訟で消費者金融業界は業績が悪化しました。アイフルは過払い金訴訟の対応を続けていますが、武富士は倒産しているため管財人が財産処分を行って債務者に配当するなどの対応を行っています。
(2)グレーゾーン金利とは
- 利息制限法の融資金利 上限金利 15%から20%
- グレーゾーン金利 利息制限法の融資金利と出資法の融資金利の間
- 出資法の融資金利 上限金利 29.2%
武富士など消費者金融は過払い金訴訟に対応してきましたが、利息制限法の融資金利と出資法の融資金利の間はグレーゾーン金利とされてきました。消費者金融だけでなく、信販会社やクレジットカード会社などもグレーゾーン金利で利益を得ていましたので、金利引下げを行ってきました。
消費者金融の融資で、利息制限法の融資上限金利であれば融資返済が終わっていたものの、グレーゾーン金利であるために融資返済が終わっていない債務者がいました。過払い金訴訟は、消費者金融などにその差額について、支払いを求める内容で消費者金融が倒産するきっかけとなっていますね。
(3)武富士2013年10月30日訴訟理由と管財人の役割
- 管財人の役割 債権者に倒産した会社の資産から配当すること
- 武富士が倒産
- 消費者金融はグレーゾーン金利で多額の収益
- 消費者金融の収益に対して多額の税金が発生
- 消費者金融はグレーゾーン金利で多額の過払い金返還が発生
武富士 倒産と過払い金訴訟についてまとめていますが、武富士は消費者金融の大手企業でしたので多額の融資残高がありました。武富士はグレーゾーン金利で多額の収益がありましたので、多額の税金を払うことになりますね。
管財人は、資産売却などにより債権者に対してより多くの配当金を支払うことや経営陣が違法行為を行っていた場合、責任を追及することが役割ですね。武富士の管財人は、武富士がグレーゾーン金利で得た収益の税金について、グレーゾーン金利は違法であるため返還を求めていたようですね。
(4)武富士2013年10月30日判決は敗訴
- グレーゾーン金利の融資で利益
- 法人税の支払い グレーゾーン金利の利益ベースなので過大
- 1997年4月から2010年3月分 法人税計約4700億円を支払い
- 武富士管財人が国に訴訟 約2374億円の返還を求める
- 武富士管財人が敗訴 税額は事業年度ごとに確定
- 武富士管財人が敗訴 法人税支払いは違う年度で利益減少しても税額に影響しない
武富士管財人は、東京地裁の判決で2013年10月30日に訴訟敗訴していますね。武富士管財人の判決内容によっては税収が大きく減少する一方で、過払い金に対する配当などに支払われることを期待していた方は多いのではないでしょうか。
武富士の訴訟内容について、報道を見ると分かり難いので簡単に見てみましょう。武富士は訴訟で敗訴していますが、企業利益と税金の関係について見ると分かりやすいと思います。
(5)武富士のグレーゾーン金利と過払い金
- 武富士 2006年3月期まで グレーゾーン金利で多額の黒字 税金の支払い
- 武富士 2007年3月期から グレーゾーン金利廃止で多額の赤字の年あり 税金の還付
- 1997年4月から2010年3月分 法人税計約4700億円を支払い
- 2007年3月期 2009年3月期は巨額赤字だが法人税の還付は年数が決められている
- グレーゾーン金利による違法収益で税金を支払った年度が以前から継続
- 法人税は年度ごとに確定するため次年度以降に無効となってもさかのぼって税額変更することはできないと判断した判決
武富士の判決内容を見ると、グレーゾーン金利で得た収益に対しての課税であっても、次年度以降に赤字が発生すれば税金は還付されるので課税に問題ないという判断なのでしょうね.。武富士がある年度で多額の利益計上で税金を支払ったとしても、翌年度で赤字が発生すれば税金が還付されることになります。
カード破産回避 ローン返済方法を考えると、カードローンは家計の資金繰り改善に非常に重要な役割を果たしていますね。武富士の倒産後、カードローン融資に銀行が積極的になっており、金利引下げやおまとめローンなど顧客サービスも充実しているようですね。
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