Friday, November 30, 2012

中央道トンネル事故 原因は手抜き工事か

中央道笹子トンネルで事故が発生した。このトンネルであるが、過去に手抜き工事が指摘されており、事故原因の可能性として、考えられるのではないであろうか。その指摘を見ると、同年代の他のトンネルについても、検査する必要があるかもしれない。

上記は、中央道笹子トンネル崩落の画像。現在、笹子トンネルでは救助活動を中断したと伝えられている。このトンネルであるが、過去に手抜き工事が指摘されており、原因の一つの可能性がある。

トンネルの強度不足

会計検査院
高速道路等のトンネル新設工事におけるアーチ部覆工コンクリート等の施工について処置を要求したもの(昭和51年11月29日付け51検第458号 日本道路公団総裁あて)

中央高速道路笹子トンネル西工事ほか13工事(工事費総額403億3194万余円)において、次のとおり、監督及び検査が適切でなかったため、トンネルアーチ部の覆工コンクリート等の施工が設計と相違し、その一部の強度が設計に比べて低くなっていると認められる事例が見受けられた。


中央高速道路笹子トンネルとなっており、今回の事故が発生していた場所の可能性がある。指摘事項を見ると、設計強度に足りないと過去に指摘があったようだ。

調査箇所の全容 施工と設計の相違

しかして、各トンネルのアーチ部の覆工コンクリートについて打設区間ごとに頂部及び頂部付近をせん孔するなどして施工状況を調査したところ、調査した箇所数3,208箇所(1,467打設区間、換算延長16,381m。以下同じ。)のうち、施工が設計と相違している箇所が次のとおりあった。
調査箇所の全容についてまとめると、下記の通りだ。

  1. 調査した箇所数3208箇所
  2. 1467打設区間
  3. 換算延長16381m

続いて、強度不足の箇所について見てみよう。

トンネルの厚み不足

(ア)覆工コンクリートについては、巻き厚不足が設計巻き厚の2分の1を超える箇所が15箇所(15区間、163m)あるほか、3分の1を超え2分の1以下の箇所が142箇所(138区間、1,463m)、4分の1を超え3分の1以下の箇所が182箇所(163区間、1,817m)あった。
まとめると、下記だ。

  • 3208箇所 調査した箇所数
  • 15箇所 2分の1を超える箇所
  • 142箇所 3分の1を超え2分の1以下
  • 182箇所 4分の1を超え3分の1以下

巻き厚不足は、上信越道“手抜き”工事が分かりやすい。巻厚(まきあつ)はトンネルの厚みであり、これが不足していたようだ。考えただけでも恐ろしい。

ここで、指摘されているものだけでも、調査箇所の10%以上で厚み不足が発生している。

空隙が多数で強度、耐久性の低下

(イ)覆工の背部に1mを超える空げきを生じている箇所が17箇所(17区間、179m)、50cmを超え1m以下の空げきを生じている箇所が240箇所(210区間、2,351m)、30cmを超え50cm以下の空げきを生じている箇所が435箇所(303区間、3,443m)あった。
空げきという用語については、下記の解説が分かりやすい。

空隙とは

安全で快適な社会を支える建設材料-コンクリート
硬くて強いコンクリートも、組織構造から見ると数多くの小さい空隙が存在する。この小さい空隙は、コンクリートの強度や耐久性に大きな影響を与えている。
つまり、空隙は、コンクリートの強度や耐久性に影響を与えるが、多数それが見受けられていたのである。数値についてまとめたのが下記だ。

出設区間で見ると、その凄まじさがよく分かる。

調査箇所数

  • 3208箇所 調査した箇所数
  • 17箇所 1mを超える空隙
  • 240箇所 50cmを超え1m以下の空隙
  • 435箇所 30cmを超え30cm以下の空隙

出設区間

  • 1467出設区間
  • 17区間 1mを超える空隙
  • 210区間 50cmを超え1m以下の空隙
  • 303区間 30cmを超え30cm以下の空隙
数字を見ると、どれだけ恐ろしいかが、つかめると思う。

モルタルについて

(ウ)モルタル注入区間において、モルタルがてん充されないで空げきを生じている箇所や、コンクリート巻き厚不足部分にコンクリートより強度の著しく低いモルタルがてん充されている箇所も見受けられた。
上記の(ア)と(イ)の問題と、モルタルの関連について説明されている。
さて、手抜き工事の原因について、長々とした文章があるが、赤文字の部分だけでもご参照。

事業量の増大に管理が追いつかず

このような事態を生じたのは、同公団において、近年事業量の増大等に伴い、これに対応する監督要員の確保が困難であることもあって各種検測業務等監督の補助業務の一部を民間業者に委託して実施しているが、このような工事監督の実情等もあり、これら補助者及び同公団の監督員、検査員が準拠することとしている「請負工事監督要領」、「請負工事等検査要領」、「施工及び検査」等の諸規程について、コンクリート打設の際の打設状況の確認、空げきの処理状況等の確認及び施工巻き厚のせん孔等による検測に関する実施基準を設けるなど整備を図る要があったと認められるのに、これらに関する配慮が十分でなかったことなどによると認められる。
どうやら、事業量の増大に対して、管理が追いつかなかったことが原因のようだ。原因がこれだとすると、同年代の他のトンネルについても、同様の危険性がある。

中央道トンネル事故の原因が、過去の手抜き工事であれば同年代の他のトンネルも疑わしい。補修工事などが行われたのかどうか・その後の検査はどうだったのかも、気になるところだ。HomeAny source

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